確定申告を電子で行うメリットと手続き
個人の方が確定申告書を提出する方法は紙で郵送する方法と電子申告する方法の2つがあります。
電子申告する場合はメリットもありますが、電子申告をする際にはいくつか手続きをする必要があります。
今回は確定申告を電子で行うための手続き及び電子申告することによるメリットについて書いていきたいと思います。
電子申告するための手続き
では、確定申告を電子申告するための手続きについて書いていきます。
電子申告前の事前準備
確定申告を電子申告する方法は「マイナンバーカードを利用する方法」と「ID・パスワードを利用する方法」の2種類があります。
それぞれ事前に準備を行う必要があるため、下記でそれぞれの方法について書いていきます。
マイナンバーカード方式
マイナンバーカードを利用して電子申告する方法では、電子申告をする際にICカードリーダーを利用してマイナンバーカードを読み取らせ申告を行います。
そのため、マイナンバーカード方式で電子申告を行うためには、事前にマイナンバーカードとICカードリーダーを用意する必要があります。
地方公共団体情報システム機構が運営する公的個人認証サービスポータルサイトより、以下のリンク先でマイナンバーカードに対応したICカードリーダーが公開されています。
https://www.jpki.go.jp/prepare/pdf/nfclist.pdf
ICカードリーダーは市販のもので2,000円~3,000円くらいで入手することができます。
なお、マイナンバーカード対応のスマートフォンについては、スマートフォンをカードリーダーとして利用できます。
現在公開されいているマイナンバーカード対応のスマートフォンは下記のとおりです。
https://www.jpki.go.jp/prepare/pdf/nfclist.pdf
ID・パスワード方式
ID・パスワードを利用して電子申告するためには、ID・パスワード方式に対応したIDとパスワードを事前に入手する必要があります。
電子申告をするためのID・パスワードは最寄りの税務署で税務署職員と対面により本人確認作業をしたのち、入手することができます。
ID・パスワードを入手したい方は、運転免許証等の本人確認書類を持参して、最寄りの税務署で取得申請をしましょう。
ID・パスワード方式の場合は、ICカードリーダーは不要です。
確定申告書の作成
電子申告前の事前準備か完了したら、確定申告書の作成に取り掛かりましょう。
確定申告書の作成は国税庁の確定申告書作成コーナー(https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl)で作成することになります。
税務署への提出方法を選択する画面では「e-Taxで提出する」を選択し、電子申告の方法(マイナンバーカード方式 or ID・パスワード方式)を選択のうえ、ご自分の申告内容を反映した申告書の作成をしてください。
電子申告の実施
確定申告書作成コーナーで申告書の作成が完了した後、電子申告の作業に移りましょう。
電子申告の作業自体は確定申告書作成コーナーの画面の指示通りに進んでいくと電子申告を進めることができます。
電子申告のメリット
電子申告をするためには上記で記載した通り事前準備が必要となりますが、電子申告をすることにより、様々なメリットを受けることができます。
確定申告書を紙で郵送するのではなく、自分で電子申告することにより以下のようなメリットがあります。
添付書類の郵送が不要
紙の申告書を税務署に郵送する場合は、源泉徴収票や寄付金の証明書を添付台紙に貼付して申告書と併せて郵送しなければなりませんが、電子申告の場合は確定申告書作成コーナーで必要事項を記入すれば、原本を手元に保管すればよく、郵送が不要となります。
源泉徴収票等の添付書類がたくさんある場合は、電子申告にしたほうが書類準備の手間という点でメリットがあります。
24時間いつでも申告可能
税務署へ直接確定申告書を持参する場合又は無料相談会場で代理で電子申告をやってもらう場合、受付の時間はきまっていますし、提出時期や場所によっては混雑で待ち時間が長くなる可能性があります。
しかし、自分で電子申告をすれば待ち時間もないですし、時間を気にせず24時間申告することが可能です。
青色申告特別控除額の増加
平成30年度の税制改正により令和2年分以降の青色申告特別控除額の金額が改正されることが決定されました。
改正前は青色申告特別控除額は65万円でしたが、改正後は10万円減額された55万円となります。
青色申告特別控除額は改正により減額されますが、ある一定要件を満たすことで青色申告特別控除額を10万円増額することができ、改正前と同様に65万円の控除額を適用することができます。
ある一定の要件とは下記のいずれかを満たすこととされています。
- 電子申告(e-Taxによる申告)
- 電子帳簿保存
電子帳簿保存は事前に届出が必要であったり、電子帳簿保存ができる会計ソフトを利用しなければいけなかったりするので、手軽に青色申告特別控除額を増加させるには電子申告を選択するほうが良いでしょう。
令和2年分以降は電子申告をするだけで青色申告特別控除額を10万円増加することができるので、対象となる方は早めに電子申告の準備をしましょう。
さいごに
自分で電子申告をするためには多少の手続きをする必要がありますが、一度手続きをやってしまえば紙で申告書を提出する手間にくらべ格段に労力を減らすことができます。
また今回説明した通りいくつかのメリットも享受することができます。電子申告を考えている方は、ぜひ早めに準備をしましょう!
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