RPA導入の効果と注意する点
ITの発達により業務の自動化や機械化が進み、今まで人が行っていた作業がどんどんと機械に置き換わっていくことが予測されています。
そんな状況の中、業務効率化の観点からRPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目されています。
今回はRPAを導入することによる効果と導入するにあったって注意すべき点について書いていきたいと思います。
RPAとは
ではそもそもRPAとは何かですが、今まで人が繰り返し行っていた作業を自動化する技術と定義されています。
日常的に人がパソコンで実施している作業について自動化をする技術とイメージすれば分かりやすいでしょう。
RPAを実現するツールのことをRPAツールと呼んでいます。業種を問わず、様々な場面で導入することができます。
RPAを導入するケース
RPAを導入することにより、例えば以下のような自動化を実現することができます。
- エクセルに集計されたデータを基幹システムに自動転記
- 内部又は外部のシステムからデータを自動で集約及び加工
- システムのデータを監視して、設定値を超えたデータを自動で報告
- 複数の異なるシステム間をまたがり、自動で入力処理を実施
RPAの市場動向
RPAはもともと海外でツールが開発されていましたが、最近は国内企業も開発に取り組んでおり、海外だけでなく日本国内においてもRPAツールを導入するケースが多くなってきております。
日本国内においてRPAソフトウェアの市場規模は2017年度で31億円程度となっており、今後も継続的な導入拡大が見込まれることから、2022年には約3倍の100億円の市場規模となることが予測されています。(総務省HPより)
RPAが注目された背景
少子高齢化により労働人口が減少傾向にあるなか、労働力を維持しつつ競争力を強化するためには、生産性を向上させるための対策が必要となってきます。
近年の働き方改革では、少ない人員数でも生産性の向上を実現するための対策として、移動時間を削減するためのリモートワークやITを利用した業務効率化といったものがあげられています。
このような背景の下、従来よりも少ない人数で生産性を向上するための手段として、RPAが注目を集めています。
RPA導入の効果
RPAを導入することにより、様々なメリットを受けることができます。
下記で導入することによる効果を書いていきます。
処理が正確
人が作業を行う場合、入力ミス等の作業ミスが生じる可能性があります。
しかしRPAは設定した通りに処理を行うため、設定さえきちんとしておけば、どんなに大量の処理をこなしたとしても正確かつ休みなく処理を実行できます。
高速処理
RPAはパソコンの性能を活用して処理を実行するため、人が行う作業に比較し数倍~数十倍の圧倒的なスピードで処理を実施することができます。
既存システムの改修不要
RPAツールはあくまで既存のシステムを利用するソフトウェアであるため、既存のシステムを改修することなく、自動化を実現することができます。
従業員は本来の仕事ができる
従業員の本来の仕事というのは、些末な事務処理ではなく、企業のサービスに付加価値をつける創造的な仕事をすることです。
RPAを導入し、仕事を自動化することで、従業員は本来の創造的な仕事にとりかかることができます。
RPA導入の注意点
上記でRPAを導入することによる効果を書きましたが、すべてのことを実現できる万能なものではありません。苦手なこともありますし、できないこともあります。
下記でRPAを導入する際の注意点について書いていきます。
RPAに向いていないケース
RPAはすべての場面に活用できるわけではありません。以下のようなケースに向いていないと考えられています。
RPAを導入する際は、適切に効果を実現できるかに注意しましょう。
会計パッケージやRPA非対応のアプリケーション
RPAを導入したとしても、利用しているシステムによっては認識できない可能性があります。
特に会計パッケージでは認識できずエラーが発生してしまうケースが多くあります。
外部環境の変更が頻繁に生じるケース
参照するシステムやデータの設定の変更が頻繁に生じるケースの場合、RPAがルール通りに処理を実行することができない可能性があります。
非定型的な業務
RPAはある程度、形式化したルールのもとに運用することができます。
非定型的なメールやデータ等の場合、RPAを利用したとしても、情報を取得することができない可能性があります。
さいごに
RPAをうまく活用することができれば、効率化及び生産性の向上を実現することができます。
しかし、RPAを導入したとしても、そもそも活用できずコストと労力だけがかかる可能性もあります。
RPAを導入する場合は、導入するケースを具体的に考えたうえで導入を行いましょう。
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